NMNとは
WHAT’S NMN
ある遺伝子に働きかけることができれば、老化を防止し、若返りの有用性が期待できるとされています。そのある遺伝子とは、身体の中にある“サーチュイン”と呼ばれる長寿遺伝子です。サーチュイン遺伝子は誰もが持っているもので、生物の老化を防止し、寿命を延ばすといわれています。研究により有用性があると期待されている主な内容は下記です。
NMNを投与したグループ・しないグループに分けて1年間観察したところ、NMNを投与したグループのマウスは年齢を重ねても食べる量が増えていました。しかしその一方で、若いマウスとあまり変わらないほどエネルギー代謝が上がっていたのです。脂肪酸を燃やしてエネルギーを得ているため、老化に伴う体重増加が少ないという結果が得られました。

マウスに対するNMNの長期投与実験の結果、骨密度もわずかに増えていることが明らかになりました。これはNMNが骨髄幹細胞を刺激し、より多い骨と少ない脂肪を 形作る働きからくるものではないかと考えられております。

マウスによる実験では、全身のインスリン感受性を高める有用性が見られました。インスリン感受性とは「インスリンの効きやすさ」のことで、これが高いほどインスリンが効きやすいことになります。インスリンはすい臓でつくられるホルモンで、血糖値を調整する働きがあります。よく耳にする糖尿病は、インスリンが十分に働かなくなったため、細胞がうまく血糖を取り込めず血液に糖があふれてしまう状態を指します。今井教授のグループは、閉経後の前糖尿病(糖尿病予備軍)の女性を対象にした臨床試験において、筋肉インスリン感受性を高めることをアメリカの科学誌「Science」で発表しました。
マウスではメスの方がNMNの有用性が大きいと分かっていたため、閉経後の前糖尿病の女性を2つのグループに分け、1つのグループのみNMNを服用してもらったところ、骨格筋のインスリン感受性が平均25%上がったと明らかにしています。

ある研究グループでは、マウスにNMNを投与したところ、アルツハイマー型認知症と関わりが深い、脳の海馬の細胞死を抑えられたという発表もされています。

今井教授が率いるグループによる前述のマウス実験では、マウスの活動量の向上、免疫細胞の増加など、多岐にわたる抗老化作用が見られました。
人間でいう40~50代の中高年にあたる月齢から、NMNを飲む/飲まないの差があらわれました。
人間でいうと70代に相当する高齢のマウスでも身体活動が高まったといいます。NMNを飲むと老化や寿命をコントロールする酵素、サーチュインの働きが活発になることが関係しています。また、異なる研究機関では、血管の弾性の保持、老化に伴う各組織や臓器の機能向上なども数多く報告されています。

